うちの息子はマルファン症候群です。
マルファン症候群の診断基準など、専門的なことについては↓こちらを参考にしてください。
ここでは、うちの息子にどういった経緯でマルファン症候群の「確定診断」が下りたのかを記載していきたいと思います。
あくまでひとつの例です。
似たような症状があっても、マルファン症候群に当てはまるとも限らないですし、その逆もあります。
診断については、医師などの専門家の方に相談してくださいね。
こんな事例もあるんだ、と、あくまで参考程度に読んでいただきたいと思います。
マルファン症候群の診断が、うちの息子に下りるまでの経緯
3歳健診の視力検査「全然見えない!」
最初のきっかけは、自治体主催の3歳健診でした。
動物の形などを使って行う「視力検査」が、全然こたえられなかったのです。
「僕、これわかる?鳥かな?犬かな?」
「わからない、みえない」
「これは?なんの絵かな?」
「・・・見えない。知らない」
「鳥とは何か」「犬とは何か」ということは、普段絵本の読み聞かせなどで確認していましたし、しっかりわかっているはずです。
健診で知らない人に聞かれるから、緊張しているのか。
長い検診時間に疲れて、めんどくさくなってしまっているのか。
かなり大きい絵でも全く答えられず、眼科で再検査が必要になりました。
念のために、家に帰ってからも画用紙に絵をかいて、離れたところから
「これ何かわかる?」
と聞いてみましたが、やはりわからない様子。
そういえば、この子、よく転ぶし、遠くから手を振って名前を呼んでも・・反応が薄い!?
もしかしたら、目があまり見えていないのかも!?
近所の眼科で再検査。水晶体亜脱臼がわかる。
3歳検診で再検査が必要と言われ、近所の眼科に行ってきました。
瞳孔を開く目薬をさして検査をしました。
目薬をさすと、すごくまぶしいようで、息子は目をしっかり開けていられませんでした。
視力検査をし、診察室で、眼科医に診てもらったところ・・・
「水晶体が脱臼しています。両目ともです。総合病院に紹介状を書きますので、精密検査が必要です」
とのこと。
眼の水晶体が「本来あるべき位置」にないため、視力が出ない。
ということのようです。
両目とも、0.3程度の視力しかないのです。
子供なので、その時に集中力がなかったり、よく理解できていなかったりするので、視力検査の結果は必ずしも正確ではない、と言われましたが、水晶体亜脱臼はまちがいない、とのこと。
紹介状を持って後日、総合病院に行きました。
総合病院にて、マルファン症候群の可能性を指摘される。
総合病院では、まず、同じく眼科を受診しました。
先日近所の病院でやった検査と同じ検査をもう一度やりました。
また、目がまぶしくなる目薬です。
「僕、目薬まぶしくて何も見えなくなるから、いやだ。なんでまたさすの?」
と、嫌がる息子。
なんとか検査を終えて、医師からの言葉は・・
「息子さんは、マルファン症候群の可能性があります。」
とのこと。
「えっ!?マルファン症候群って何!?」
初めて聞く言葉に、頭が真っ白になりました。
「これからしばらく、心臓や骨などをしっかり検査する必要があります」
とのこと。
目に関しては、眼鏡をかけてもあまりじゅうぶんな矯正はできないけれど、眼鏡っこになることに。
そのほか心臓や骨などもしっかり検査することになりました。
その日、帰宅してから、ネットで「マルファン症候群について」調べまくりました。
こんなに何かのことを一生懸命調べるのは、生まれて初めてだったかもしれません。
そのくらい調べました。
1日で、ネットから得られる情報はすべて頭に入っていたんではないか、というくらい。
息子のマルファン症候群は遺伝か?私もマルファンなのか?
マルファン症候群は、遺伝によるものが多いと言われます。
マルファン症候群全体の75%(3/4)の人は、親からの遺伝です。 残り25%(1/4)は、マルファン症候群ではない親から生まれます(やはり遺伝子の変化です)。
そのため、高身長で比較的やせ型の私(母)(168センチ・53キロです)の遺伝である可能性もある、と指摘されました。
確かに私の家系は、実の弟も180㎝以上あるし、妹も170㎝あり、みんな高身長・やせ型です。
私の実の父は50代で「大動脈弁閉鎖不全症」で「人工弁置換手術」もしているので、そういったところかも、「私の遺伝によるもの」説が濃厚・・・ということに。
私も息子と同時に、心臓・骨など、色々と検査をすることになりました。
私のせいで、息子を健康に産んであげられなかったのかもしれないのか・・
私がマルファンだったら、夫は結婚していただろうか・・・
まだ確定もしていないのすが、そんなことが色々と頭をめぐりました。
総合病院に何度も通い、診断が下りるまでは1年以上。
総合病院って混んでますよね。
いろんな病状の方が集まってくるからか、待ち時間も長いし、いろんな科を受診すると何日もかかる。
息子は何度も幼稚園を休んで、病院に通いました。
確定診断については、病院の方からは、
「確定診断は、必ずしもした方が良いとうわけでなく、本人やご家族の意思にまかせます」
と言われていました。
確かに、「マルファン症候群確定」という診断が下れば、息子の将来、結婚などにも影響があるかもしれない・・
私のほうも、確定診断することによって、夫婦の関係が何か変化していしまうかもしれない・・
そんな思いもありました。
けれど、息子の命のことを最優先させると、
「確定診断したほうがいい」
そういう結論を、家族で出しました。
確定診断しておいた方が、何かあったときに、病院で「この子はマルファンなんだ」という目で、しっかりと診てもらえるのではないか。そういう思いがあったからです。
そのため、息子も、私も遺伝子検査をしました。
私は血液と口の中の粘膜、髪の毛も何本か病院で抜いて提出しました。
1年以上にもわたる通院と検査の結果
●息子はマルファン症候群である
●私(母)はマルファン症候群でない
という診断が下りました。
息子のマルファン症候群は、私の遺伝によるものではなかったのです。
遺伝でない、25%の方だったのです。
「自分のせいではなかった」という少しほっとした気持ちと、それでも息子のマルファンは確定してしまったんだという辛さ、の両方が入り混じる、複雑な気持ちになりました。
その後は、半年に一度、病院に通い、眼科と循環器科と整形外科と小児科で診てもらっています。
今、息子に出ている症状は、
・水晶体亜脱臼
・心臓の血管が少しだけ太い
・扁平足
・x脚
ですが、年齢とともに症状の出方が変化していくらしいです。
つらい症状が少しでも出ないことを祈るばかりです。
コメント
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